2016/11/10

妊活中・妊娠中に知っておきたいTORCH症候群~単純ヘルペスウィルス~

はじめに

TORCH症候群とは、ママの胎盤を通して病原体に感染した赤ちゃんに、重篤な奇形、重篤な内蔵の機能や聴力の障がいを引き起こす病原体の頭文字をとって名付けられたものです。

過去記事で、TORCH症候群のうちの「トキソプラズマ」、「サイトメガロウィルス」、「風疹ウィルス」について書きました。

今回は、TORCH症候群のうちの「H」の部分、「Herpes Simlex  Virus:単純ヘルペスウィルス」について書きます。

単純ヘルペスウィルスウィルスとは?

単純ヘルペスウィルスには、HSV‐1型HSV‐2型があります。

HSV- 1型:唇や口の周りに水泡ができる口唇ヘルペスや角膜炎の原因となるウィルス

HSV‐2型:性器やその周辺、おしり、太ももに水泡がぶつぶつができる性器ヘルペスの原因になるウィルス

※注1:HSV‐1型が性器ヘルペスを起こすこともあります。

※注2:性器ヘルペスは、自覚症状が全くない場合があります。

一度感染すると

単純ヘルペスウィルスは、どこにでも存在するウィルスです。そのため、日本人の70~80%がHSV‐1型に、2~10%がHSC‐2型に感染していると言われています。

感染しても何の症状も現れない人がたくさんいます。

一度感染すると、ウィルスは体内に潜伏し、抵抗力が下がったとき等に再活性化し症状を現すことが多いです。

妊婦さんがヘルペスウィルスに感染した場合

単純ヘルペスウィルスの母子感染症には、①先天性感染症②新生児ヘルペスとがあります。

①先天性感染症

・原因:胎盤を通しておなかの中の赤ちゃんがヘルペスウィルスに感染

・症状:小頭症、水頭症等の重篤な疾患として現れることはきわめて稀

②新生児ヘルペス

・原因:産道(赤ちゃんがママから生まれてくるときに通る道)にヘルペスウィルスが存在し、赤ちゃんが産道を通って生まれてくるときにヘルペスウィルスに感染

・症状:全身型、中枢神経型、皮膚型の3病型に分類

 全身型:多臓器不全によって死亡することが多い。

 中枢神経型:後遺症を残すことがある。

皮膚型:比較的軽症で治療の効果にも期待できる。

 単純ヘルペスウィルスには確立された治療法が存在します

妊娠中に性器ヘルペスが確認されても、赤ちゃんが新生児ヘルペス等の母子感染症を抱えて生まれてこないように、性器ヘルペスの治療や出産時に赤ちゃんへの感染を避ける処置がとられます。

投薬治療

妊婦さんに性器ヘルペスが確認された場合、

妊娠初期塗り薬処方

妊娠中期~後期飲み薬処方、重症の場合には点滴治療

が行われます。

帝王切開による赤ちゃんへの感染回避

出産のときに性器ヘルペスが確認された場合、出産の一か月前に性器ヘルペスの初感染が確認された場合、出産の1週間前に性器ヘルペスの再活性化が確認された場合には、赤ちゃんが産道を通ってヘルペスウィルスに感染し、新生児ヘルペスを発症することを避けるために、帝王切開によって出産します。

性器ヘルペスが確認された妊婦さんが、帝王切開手術をせず経膣分娩した場合には、生児ヘルペス発症率は、初感染の場合50%、再発型の場合0~3%とされています。

初感染か再発型かは検査をするとわかりますが、検査に時間がかかるため、検査結果が出産までに出なければ、赤ちゃんへのリスクを避けるために、帝王切開に踏み切る場合もあります。

さいごに

TORCH症候群の中で「単純ヘルペスウィルス」は、治療法や対処法が確立されています。

そのため、出産までに、性器ヘルペスウィルスに感染していることが確認されれば、ほとんどの場合、赤ちゃんが感染することを防げます。

そのためにも、妊婦健診は欠かさず、お医者さんの指示に従ってきちんと受診しましょう。定期的な受診が、赤ちゃんを助けることになります。

また、出産時に赤ちゃんが性器ヘルペスに感染することを避けるために「帝王切開」で出産することがあることを気に留めておいてください。

赤ちゃんへのリスク回避のために「帝王切開」で出産したママは、赤ちゃんを守るために「帝王切開」を選択したのです。

素晴らしい選択です!

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