2016/11/10

妊活中・妊娠中に知っておきたいTORCH症候群~風疹ウィルス~

はじめに

前回前々回の記事では、TORCH症候群のうちの「トキソプラズマ」と「サイトメガロウィルス」について書きました。

今回は、TORCH症候群のうちの「R」である「Rubella virus:風疹ウィルスについて書きます。

風疹ウィルスが、「トキソプラズマ」と「サイトメガロウィルス」と大きく違う点が1つあります。

それは、風疹ウィルスには、感染を防ぐワクチンが存在することです。風疹ウィルスは、予防接種で感染を防げることです。

風疹ウィルス感染は何が問題なの?

1.先進国で風疹が流行するのは日本だけ

2.予防接種が不十分な世代の無自覚な感染拡大

3.妊娠初期に風疹にかかると先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高い

4.風疹ウィルスは感染を防ぐ有効なワクチンが存在する

問題その1:先進国で風疹が流行するのは日本だけ

2012年から2013年にかけて、日本で風疹が大流行しました。

その時の患者数は、1万4357人です。そして、その時に天性風疹症候群(詳しくは、後述します)を抱えて生まれてきた赤ちゃんは、32人です。

先にも書きましたが、風疹ウィルスには、予防接種が存在し、感染を防ぐ手段があるのです。

そのため、他の先進国では、これほどまでに風疹が流行する国は日本の他にありません。

アメリカからは、「日本は、風疹ウィルスの輸出大国」と揶揄されています。

また、カナダに修学旅行に行った日本人が渡航先で風疹を発症して、その学校の生徒全員がホテルからの外出禁止令を出され、飛行機の搭乗拒否をされてこともありました。

この対応の是非は置いておいて、カナダの対応からも、他の先進国と日本との風疹ウィルスに対する温度差がわかります。

問題その2:予防接種が不十分な世代の無自覚な感染拡大

なぜ、日本だけ風疹が流行するのか?

理由はシンプルです。日本には、風疹の予防接種を充分に受けていない人が沢山いるのです。

34歳以上の男性は、一度も、風疹の予防接種を受ける機会がなかった

51歳以上の女性も、一度も、風疹の予防接種を受ける機会がなかった

・34歳~51歳の女性は、中学生のときに集団接種で1回接種

・25歳~34歳の男女は、中学生のときに個別接種で1回接種

その結果として、風疹患者の80%が男性でその20~40%が30~40代という結果が出ています。

結果として、働き盛りの男性が感染を拡大

30代~40代の男性(女性もですが)は、仕事が忙しい人が多いのではないでしょうか。

少し体調が悪いくらいでは病院にいけなかったり、会社を休めなかったりするのではないでしょうか。

そのため、症状がひどくなり、病院に行って「風疹」と診断されるまでに、たくさんの風疹ウィルスを通勤時や職場で拡散させているのです。

特に、都心の通勤電車での人の密着度はかなりのものです。

通勤時や職場で容易に風疹ウィルスをもらい感染してしまうのです。

問題その3:妊娠初期に初めて風疹にかかると先天性風疹症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高い

妊娠初期にママが初めて風疹にかかるとどうなるの?

妊娠10週までの風疹ウィルスへの初感染→90%の赤ちゃんに影響がでる

妊娠11‐16週の風疹ウィルスへの初感染→10‐20%の赤ちゃんに影響がでる

妊娠20週以降の風疹ウィルスへの初感染→赤ちゃんに影響がでるのはまれ

どんな影響がでるの?

典型的な三大症状は、心疾患・難聴・白内障です。

問題その4:風疹ウィルスには感染を予防するワクチンが存在

風疹ウィルスのワクチン(予防接種)の効果

このように妊婦さんが妊娠中に初感染すると赤ちゃんに深刻な症状を引き起こす風疹ウィルスですが、予防接種を受ければ、自分の中に風疹ウィルスの抗体ができます。

すると、あとから誰かが風疹ウィルスを自分のところに運んできても、自分には風疹ウィルスの抗体があるので、風疹ウィルスをやっつけることができます。

つまり、自分はもうこれ以上風疹にかかることはありませんし、これ以上風疹ウィルスを拡散させることもありません。

妊娠前に確認したい!風疹の抗体検査と風疹の予防接種

ただし、風疹の抗体が弱くなっている場合には、再度風疹にかかることがあります。

34歳以上の女性は、通常、1回の集団予防接種を受けているはずですが、1回では十分とは言えず、抗体が弱くなっている場合もあります

心配な方は、ぜひ、妊娠前にお医者さんに相談して下さい。

お住まいの地域で抗体検査を実施しているところもあります。

そして、抗体の値が低い場合には、予防接種を受けておきましょう。妊娠を希望する女性は、お住まいの地域から助成を受けられます。

妊活中の方、風疹の予防接種をしたら2か月の避妊期間を!

風疹の予防接種を受けたら、2か月は妊娠しないように気を付けましょう。

仮に妊娠した場合には、必ず、産婦人科を受診して、風疹の予防接種を受けたことをお医者さんに告げて相談して下さい。

妊娠中の方は、風疹の予防接種は受けられません

妊娠中は、風疹の予防接種は受けられません。

妊娠中の血液検査で風疹の抗体が無いあるいは値が低い場合には、まず、身近な家族に予防接種を受けてもらいましょう。

特に、ご主人やお子さんの予防接種を徹底しましょう。

ご主人は、1万円くらいかかると思いますが、これは大事な赤ちゃんのためのお守りです。

さらに、妊婦さんは、妊娠22週くらいまでは人ごみを避け、予防に努めましょう。

授乳中でも、風疹の予防接種は受けられます

出産後は、授乳中でも予防接種が受けられます。

妊娠中の血液検査で風疹の抗体が無いあるいは値が低かった方は、産後入院している病院が対応してくれれば、そこで予防接種を打ってしまいましょう。

対応していない場合には、出産後、赤ちゃんはたくさんの予防接種を受けます。

その予防接種の予約の時に、「自分も風疹ワクチン(あるいは、麻しん(はしか)風しん混合ワクチン)を接種したい。」と言っておいて、子供と一緒に打ってもらいましょう。

私の場合

妊娠前、鉄欠乏症貧血のため、定期的に血液検査を受けていました。

その時に、風疹の抗体検査も受けました(トキソプラズマもサイトメガロウィルスも一緒に受けました)。

私の主治医は、とても良い先生なので、「何か他に調べときたいのある?」と聞かれたのでお願いしました。

結果、風疹の抗体値が弱かった(確か、16)ため、風疹の予防接種を受けました。

病院で書類を記入したら、自己負担額が5000円弱くらいになったと思います。

さいごに

風疹ウィルスの母子感染は、妊娠前に予防接種を受けることで防げます。

しかし、本当に風疹の感染拡大を防ぐためには、男性が予防接種を受けることが不可欠です。

働き盛りの男性は、よほど具合が悪くならなければ病院には行かないし、そんな時には、予防接種は受けられません。

女性でもそうです。独身で働き盛りのときは、熱でも出なければ会社も休まないし、病院にも行けません。

私もそうだったのでよくわかります。

しかし、どうか自分が風疹の予防接種を受けることで、先天性風疹症候群の我が子を抱えて苦悩するママが減ることを知っていただきたいと思います。

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